工務部の作業内容は電力会社より発電された電気を変電所まで安全に安定して届ける送電業務がメインです。
山間部の主要鉄塔での架空送電から市街地の地中送電まで超高度から地下まで3次元的に作業しています。
山間部の主要鉄塔での架空送電から市街地の地中送電まで超高度から地下まで3次元的に作業しています。
架空送電
作業風景
鉄塔基礎詳細
鉄塔の足元となる基礎部分です。高さ数十メートルの構造物を支えるため基礎部分もしっかり造り込みます。
どれだけ深く掘って基礎を設置しているかは作業員と比較すると一目瞭然です。
どれだけ深く掘って基礎を設置しているかは作業員と比較すると一目瞭然です。
別動画サイトに深層基礎の模様を納めた動画をUPしています。こちらもあわせてご覧ください。
基礎完成
地中深く基礎を造り込んでも実際に地表に出るのはたったこれだけです。皆さんがよく目にする鉄塔の基礎は実は地中深くから一部が覗いているだけです。
延線作業1
安全帯は当然つけていますが、足場は直径数センチの電線のみです。
延線作業2
鉄塔近辺から徐々に作業を進めます。
延線作業3
ほとんど宙吊り状態で作業を行います。
延線作業4
作業員から見た風景です。
鉄塔工事用索道
索道とはいわゆるケーブルカー(ロープウェイ)の一種です。法律に沿い、荷物のみで人員は運べません。送電鉄塔の建設には大量の資材と機材が必要になります。
また鉄塔の建設現場は大半が山中や丘陵地などでそれらを運搬するのにも大変な困難を伴います。それら器材を建設現場に運搬する方法として、索道と呼ばれる荷物運搬専用のケーブルを張り、それに搬器をつけて荷物を吊るし建設工事資材などを運搬します。
ここでは「複式索道」と呼ばれる索道を紹介します。
ドローン空撮動画
● 索道トレース 往路編
とある鉄塔立替工事での複式索道の動画です。
ドローンを搬器(荷掛け)の目線で荷物になった感じで撮影しました。撮影当日は強風が吹き荒れる中でさすがのドローンもふらつき気味です。
● 索道トレース 復路編
索道ワイヤに対して見事なくらい並行で真っすぐかつ必要最低限の伐採に抑えている点に注目です。現場代理人いわく今まで多数工事してきた中でもピカイチのできだそうです。
深層基礎工法
鉄塔を建てる場合ある程度の敷地が必要ですが、山中や丘陵地等の狭い敷地や傾斜地しか確保できない場合の鉄塔基礎の施工工法として、深層基礎工法を用います。
採掘方法は機械(バックホー)と人力により垂直に掘り進み、掘削した縦穴は壁の崩落を防ぐため、リング枠(ライナープレート)で土留めを行いながら掘り進めます。
※鉄塔の規模により穴径と採掘深度は変化します。画像は穴径 2.5m、深度 約8m。
ドローン空撮動画
● 鉄塔深層基礎
鉄塔の頂点から深層基礎の深くまでドローンにて撮影してみました。探検隊気分です。
アドバルーンを利用した送電線撤去作業
作業風景
● 送電線撤去作業
アドバルーンを鉄塔よりリリースした直後に10個のアドバルーンが垂直上昇する模様は圧巻です。
アドバルーン準備中
普段上空に浮かんでいる状態でしかお目にかかれないですが、あらためて地上で見ると手前の自動車と比較して分かる通りかなりの大きさです。
順次送り出し中2
今回アドバルーンに水素ガスを使用しているため、作業においては消防署の許可を取ったうえで作業を行っています。消防署の方も視察にいらっしゃいました。
順次送り出し中3
バンザイ鉄塔の様子がよく分かります。
順次送り出し中4
今回は合計10個のアドバルーンを使用しました。
動画でも説明していますがこの配下には高速道路が横断しています。
動画でも説明していますがこの配下には高速道路が横断しています。
空撮用ドローン
今回の作業の模様は地上からデジカメ動画、上空からはドローンで撮影と言う2元中継で行いました。
ヘリコプターによる物資の空輸
鉄塔や送電線の新規敷設、設備の修繕や補強工事、旧設備の撤去には大量の資材や重機の搬入が必要になります。それらの搬入に作業現場まで一般道や作業道が使用できれば問題はありませんが、山間部では4トン車以上の道幅があるのは稀でほとんど人が通るのがやっとの巡視路(ほぼ獣道)しかありません。その場合の搬入方法として現場まで運搬用道路を新たに造成して索道を作り、そこに運搬用のロープウェイやモノレールを設置します。
しかし、そのための造成用の工事費が莫大に掛かるうえ、不用な山林伐採で環境破壊を引き起こす懸念があります。場合によっては現状復帰を求められることもあります。それらを回避する策としてヘリコプターを利用して上空から直接現場へ物資や重機を搬入します。
今回、「大型ヘリコプター スーパーピューマ」を使用した空輸の模様を迫力の動画とフォトギャラリーで以下に公開していますので、ぜひご覧ください。
空輸の様子
● スーパーピューマによる物資空輸の様子
燃料給油と大型ヘリ特有のホバリング時の風圧の威力(ダウンウォッシュ)の模様も収めています。
フォトギャラリー
AS332Lスーパーピューマ
かなりの大型機です。
ホバリング中
ほぼ直下で撮影、かなりの迫力です。
コンクリポンプ空輸中
空輸してきたコンクリホッパー
これを山頂に陸路で運ぶのはかなりしんどいです。
見た目以上に巨大で結構な重量です。
見た目以上に巨大で結構な重量です。
重機空輸中その1
燃料給油中
200L入りのドラム缶2缶分を給油し、すぐに作業に取り掛かります。
斜め前から
お昼休憩及び機体メンテナンス中。
作業中は凄まじい騒音と台風ばりのダウンウォッシュですが、羽を休めている時は恐ろしいほどの静寂です。
作業中は凄まじい騒音と台風ばりのダウンウォッシュですが、羽を休めている時は恐ろしいほどの静寂です。
正面から
背後から
メインロータ詳細
ヘリは高速回転するロータのピッチ(傾き)を変えることによって移動しますが、理屈は分かっていても複雑なリンク機構の組み合わせで難解部品です。
テールロータ詳細
こちらもメインロータ同様難解部品です。
吊り下げフック詳細
これが物資運搬の要となります。
コックピット詳細
操縦桿の塗装が所々剥げていていますが、逆にその雰囲気が使い込まれたツール感が出ています。
地中送電
街中や住宅地など鉄塔を立てて送電するのが難しい場合、地中にトンネル(管路もしくは洞道と言います)を作り、地下に電線を収容します。
特に電線がたくさん集まる場所や変電所の出口には洞道を設けこの内部には、照明・換気・排水設備などを設置し、定期的に送電線の点検を行っています。
架空送電と比べると地味な設備ですが街中では目にする機会が多いと思います。