鉄塔や電柱の設置場所や規模に関わらずパイロットロープ延線作業は架線作業の最初で重要な作業です。その中でも超高圧275Kv、径間平均約400メートルで最大径間約470メートルの大規模送電線を複数径間:総延長約2200メートルに渡りドローンにてパイロットロープ延線作業を行いました。以下に作業内容をダイジェストでご紹介します。
今回のドローン延線作業は送電容量や鉄塔の規模も桁違いに大きくそれに伴い径間距離や鉄塔高も長大になる為、今までのドローン延線とは異なりかなりハードルの高いミッションでした。今回の延線作業をするにあたって現地の飛行発着場所と飛行ルートの確認、現地の気象状況や平面地図上では分からない土地の丘陵/傾斜状況の確認等々、事前に現地入りして入念に調査し、作業従事者とのミーティングも念入りに行いました。また実際の飛行に関しても今までの作業実績の2倍以上を飛行することもありパイロットロープ自体の強度や軽さ、果ては枝木等の引っかかり難さ等素材からの見直しや機体に取り付ける延線用部材の再設計を実施しました。更に実際の飛行に関してはFPVによる飛行距離も長大になる為、ゴルフ場をお借りして500メートル以上のFPV及びパイロットロープ延線の事前飛行訓練を実施しオペレータと地上監視員の育成を図ると共に長距離飛行時の問題点(特に風向き)を徹底的に検証し本番に備えました。とはいえ実際は季節の変わり目による突然の強風や雨天により待機や順延を余儀無くされ最短時間で終了すると言う訳には行きませんでした。机上のシミュレーションをいくら実施しても自然の気まぐれには翻弄されると言う教訓を得ましたが結果的に事故もなく無事に延線作業を終了する事ができました。